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特ダネ報道 壊滅の危機―中国当局が規制強める

2010年07月17日

【新唐人2010年7月18日付ニュース】記憶に新しい毒ミルク事件。これら特ダネを中国で報道するのは、地元以外の地方新聞です。全国紙は中央の制御を受けており、地元の新聞も地方政府から圧力を受けているからです。しかし、今、この特ダネ報道の規制が強化されています。

中国には『人民日報』など全国で発行される新聞のほか、各地には「都市報」と呼ばれる地方紙があります。これらの地方新聞社は、財政面あるいは当局の規制などの理由で、通常、全国に取材拠点を置いていません。そこで各地の地方紙は互いに、ニュース原稿を交換します。しかし奇妙なことに、突発的な事件事故は地元紙に載ることはほとんどなく、たいていは地元以外の新聞に載ります。
 
中国の言論自由化のさきがけと評された『週刊氷点』の前編集長・李大同氏は、地元以外の特ダネ報道がなければ、毒ミルク事件の発覚は遅れたはずと述べています。しかし今月に入ってから、特に中国南部の地方新聞は、政府系の通信社『新華社』のニュースを大量に載せ始めました。関係者によると、多くの地方政府が地元の新聞社に対し、地元以外の新聞社のニュースを載せることを禁じたそうです。考えてみると、地元以外の地方新聞が特ダネを載せるというのは奇妙な話です。通常、事件事故の取材は地元メディアが圧倒的に優位なはずでしょう。しかし実際、メディアは地元の事件事故の取材に尻込みします。実は彼らは、地元政府の代弁者であり、政府にとって不利なことは書けないのです。
 
しかし李さんは、こんな現状を鋭く斬り捨てます。「今のようなネット時代、禁止令は何の役にも立たない。新聞ラジオテレビが載せなくても、ネットには載るからだ」。また各地の地方紙は、一般に競争が激しいため、読者を確保しようと特ダネをほっておくことはないそうです。今回の禁止令を知ったメディア関係者は、いずれも怒りを新たにしたそうです。李さんの分析によると、今回の禁止令は中央というより地方政府が画策した可能性が濃厚です。「自分にとって不利な報道を許さない」という自らの保身のためだと見られます。
 
新唐人記者がお送りしました。
 

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